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今日の見た!聴いた!読んだ!食った!
4月 5日
(火)


 福島第一原発2号機ピット付近の海水から国の定めたヨウ素濃度限度の750万倍、1号機では濃度限度の48万倍、3号機で38万倍、4号機で35万倍。海水からの検出結果でこの恐るべき濃度、ピット内の汚染水にいたっては濃度限度の1.3億倍に相当するとの発表があった。1.3億倍って・・・・数の感覚が麻痺した。呆れ返って大笑いするしかない。
 1.3億倍の汚染水が海水に薄められて750万倍になっているんだろうが、もーどーでもいい気になっちゃう数値だ。1.3億倍の原液汚染水が地中に染み込んだらどーなっちゃうんだろう。
 分別ゴミ出しの仕方云々の問題を超えて、家の前を流れる堀に糞尿を垂れ流したら近所が怒るのは当たり前だし、糞まみれの魚や野菜はいくら洗ったとして食べる気はしない。郷土愛も糞には負ける

 こんな救いようのない現実の中、「『世界の海洋における野生生物の棲息環境破壊と虐殺の終焉』を目指して活動する」ことを標榜する国際非営利組織シーシェパードはどんな動きをしているのかが気になった。
 日本の捕鯨やイルカ漁に真っ向から反対している彼らの地震直後の発言は凄かった。
 リーダーのポール・ワトソン「海を陵辱する日本人に対する天罰だ。」その他にも、▽これは地震じゃない、イルカの暴動だ。 ▽地震、もしくは津波が日本の全てのイルカ漁漁船を飲み込んでくれる事を望む!!!! その祈りが通じれば、イルカは安全で幸せになるだろう! ▽この地震は日本のイルカキラー達全員を処分してくれたって事?▽日本、鯨殺しの国、地震と津波による母なる自然の苦しみを味わえ。▽おそらく、この地震はイルカや鯨を殺している事への報いだ。 などなど。

 海のお友達、イルカやクジラを食らう日本には天罰がくだったらしいのだが、原発事故からの海洋汚染に対してはなんの言動も見られないのが不思議だ。
 汚染されたコウナゴを食ったイワシを食料とするイルカやマッコウクジラ、汚染まみれのオキアミを食らうザトウクジラやナガスクジラを救うために原発沖の海で活躍して欲しい。捕鯨船に自らの船をぶち当てる特攻精神で排水の割れ目を塞いで欲しい。憂国の特攻精神を失った日本人、疲れきった陸上要員に成り代わって海からの支援をぜひともして欲しい。
 崇高な理念を持った精神ならば、何億倍の放射性物質もなにするものぞ、大洋の命運はシーシェパードにかかっている。

 ホント、頼むよ。
    


4月 1日
(金)

 海外サイトで「Fukushima Dai-ichi」を検索すると、国内のサイトでは公開しないようなリアルな写真が沢山出てくる。
 日本製があまり信用できなくなった今、外国製品の眼の方が確かな情報を映しているのかもしれない。それにしても目だけが頼りで文が読めないのが悔しい。もーちょっとだけ勉強しとけばよかったな。


 県の中央に位置する天栄村産の牛肉から食品衛生法の暫定規制値(200ベクレル)を超える510ベクレル検出されたとのこと。
 いずれすべての生産物に波及すると思っていたからあらためて驚くことでもないのだが、そのニュースの文末に付け加えられていた一文・・・『肉1キログラム当たりの放射性セシウムの規制値は、欧州連合(EU)では1250ベクレル、米国では1200ベクレルで、日本の規制値(500ベクレル)はより厳しく設定されている。』これが情けない。
 世界一の厳しい基準を自らに課して、食の安全を誇っていたのはなんだったんだろう?中国産の冷凍食品やアメリカ産の牛肉など、日本の安全基準から外れたものを輸入規制した毅然としたスタンスはなんだったんだろう。

 プロレスは反則が許されるスポーツである。プロレスをスポーツと認めるかどうかは別として、他のスポーツならば即刻反則をコールされる違反行為も3秒間までなら許される。首を絞めようがフォークを振りかざそうが、レフリーの「ワン・ツー・スリー」のカウントで止めてしまえばなんのお咎めもない変わったルールを持っているのだ。
 最近の原発関係の風評被害報道を見ているとプロレスを連想してしまう。

 欧米プロレス団体「きれい事ばかりじゃ観客がエキサイトしない。興行的にも3秒くらいの反則は認めましょうよ。」
 日本プロレス団体「いやいや、日本は竹を割ったような性格を善とされる国、反則は断固として許さない。でも譲歩して1秒までは許すことにしましょう。」
 てことで始まったガイジンvs日本のプロレス大会。もちろん日本開催の時は1秒ルールが適応される。
 1秒ルールに慣れないガイジンは負け続き、日本人レスラーを応援する観客は大喜び。
 反則技を多用するレスラーの試合は空席だらけになってしまった。
 あまりにも厳しいアウェイ感に外人レスラーの来日が減り、日本人同士のカードが多くなった。
 ある年、東北地方を大飢饉が襲い、空腹の東北人レスラーは、多めの反則を使わなくては国内レスラーと対等な試合ができなくなってしまった。
 当然東北人レスラーは日本人同士のカードでは悪役を演じさせられる。
 東北人レスラーの試合は教育上不適切だとPTAのおばちゃんたちは大騒ぎを起こすようななった。
 東北人レスラーの興行は空席が目立ち、飢饉とのダブルパンチでますます腹ぺこになった。
 そこで日本プロレス団体は東北人レスラーの救済措置としてルール改正を行なった。
 「1秒ルールは厳しすぎました。3秒までの反則は認めることにしましょう。東北人レスラーは悪役じゃありませんよ。」
 それでも1秒ルールに慣れてしまっている観客にとっては、3秒も反則技を使う東北人レスラーはやっぱり悪役。
 心情的に「日本人皆兄弟」は分かるけど、子どもの教育上ずるいプレーは見せたくない。
 東北人レスラーの興行は閑古鳥が鳴くようになったとさ。



 四月馬鹿、まことしやかに嘘をつく。

 今日からヤホー天気予報で『放射性物質飛散予測』が始まった。
 明日4月2日の福島市は南東の風がやや強く吹き、放射性物質は非常に多く飛散します。昨晩の福島第一原発3号炉の水蒸気爆発に伴い、放射性セシウム放射性ヨウ素、共に多量の飛散が予測されます。なるべく外出を避け、出かける際はマスクを忘れずに付けましょう。水道水の飲料も念のため控えたほうが良いでしょう。午後からは一時的に雨が降るので傘の携帯を忘れず身体を濡らさないようにしましょう。万が一濡れてしまった場合は、汚染されている水道水は使わずにミネラルウォーターなどで身体を拭いてください。少々の量が体内に入ってしまった場合でも、直ちに健康に被害を及ばすレベルではないのでご安心ください。・・・・なーんてね。

 いや、こんな予報はそう遠くないうちに始まりそうな気がする。というか、始めて欲しい。原発からの正直な状況開示、観測スポットでの正確な計測、それらに気象データを加味して正しい予報が発表されるべきだ。台風の進路予想もどきの難民退避予想だけは見たくないけど。

4月 2日
(土)

In this March 22 photo, Manami Kon, using Japanese hiragana characters she just learned, writes a letter for her mother who's still missing after the March 11 earthquake and tsunami at the devastated city of Miyako, northeastern Japan. The 4-year-old Manami wrote, "Dear Mommy. I hope you're alive. Are you okay?" It took about an hour for her to finish it. Twenty days after the disaster that hit Japan's northeastern coast, her parents and a sister were still unaccounted for. 「ままへ。いきてるといいね。」
In this March 22, 2011 photo, Manami Kon, 4, waits for her parents and younger sister who are still missing after the March 11 massive earthquake and tsunami, in Miyako, northern Japan

 海外のサイトに掲載されている災害の写真には息が止まるほどのショッキングな写真がある。人智を超えた大きな自然の力で破壊しつくされたモノ、モノと化してしまったヒト、それらは脳みそに強烈なインパクトを与え身体中を震えさせるが、凄惨さを目の当たりにしたショックは瞬間的なもので、人の無力さは示しているが、明日へ一歩を踏み出すエネルギーや美しかった昨日への郷愁は少しも与えてくれない。驚きの連続は心を弛緩させるだけなのだ。
 人の心を動かすのは人だけだ。ガレキの中に呆然と立ち尽くす老婆の姿、避難所でうなだれている老人、泥に汚れた成人式の写真。切り取られた瞬間だけの写真が多い中で、人が写っている写真からは過去と未来を想像できる。人間ってすごいなーと思う。

 上に載せた2枚の写真から長いこと目を離せなかった。目頭が熱くなった。4歳のまなみちゃんの目が、指先が、隠した口元が、背中が、災害の大きさを語っている。
 「ままへ。いきてるといいね。」この文を自ら書いたにせよ、あるいは書かされたにせよ、4歳の子どもが覚えて間もない平仮名で書く言葉が「ままへ。・・・」、もしかしたら生まれて初めて書く手紙なのかもしれない。切ないね。
 今はまだ、海を見ているまなみちゃんの目には昨日の海しか映っていないのだろう。明日の景色が見えるようになるのはいつになるんだろう。

Japan's search for the dead

 なんともやるせない表題が付けられた写真だ。先頭の中年自衛官の沈んだ目と決意の口元。そして2番目の若い自衛官、眉をきれいに整えたときにはこんな明日が来ることは微塵も思っていなかっただろう。身体中がこわばってバールを握る掌は真っ白になっているに違いない。現実を間近に見た驚きの表情に、私も事の重大さを再認識させられた。彼の人生も、この日を境に大きく変わっていくんだろうと思う。

4月 3日
(日)

 この人達の表情は一生忘れないと思う。
 笑顔が帰って来る日は来るんだろうか?
 すごく遠い道のりのような気もするけど、人間は意外と強い。
 でも、決して3月11日は忘れちゃいけない日だ。

4月 4日
(月)
『 復興 』  音楽家 長渕 剛 

憎い
憎い
私は 自然が憎い
憎い 憎い 私は 海が憎い
たわむれ 優しく 大きく 父のような海だったのに
恐くて憎くて たまらない 許せない 絶対に許さない
こんなに あなたを 愛して 生きてきたのに
なぜ 海よ あなたは 私たちを壊す?
なぜ 何もかも奪い去る?
なぜ こんなにひどい事をする?
私たちが 何をした?
私たちの営みは
先人たちの教えを守り
繁栄に あぐらなど かかず
せっせせっせと汗水唾らし
大地と海に敬礼し漁に出た 畑も耕した
陽が沈む水平線に しあわせの涙を少しだけ流し
ささやかな営みに 家族と笑い
白き鳥のさえずりを追いかけ
嘘をつかずに懸命に生きてきた
なのに海よ なぜにあなたは私から全てを奪った?
私たちが狂ったのか 全て悪いのは私たちなのか
いいや! ちがう! 決してちがう! 私は言おう
地球よ 貴様が狂っている あなたが 狂っている
あなたに わかるか?
あなたに私の想いがわかるか?
小高い丘の上から
ただそれを見つめることしかできなかった無力な私の想いを
私たちの親が… 友人が… そして
愛する我が子が…
犬の太郎も家も机も写真も何もかも
貴様が犯した濁流に飲み込まれた
私は… 私には…
そんな私の想いに海よ あなたは何と答えてくれるのですか
海よ 貴様は どう答えてくれる?
どう答えるかと聞いているんだ!
そうやって ただ黙り
何もなかったように今日もおだやかをよそおっている
はっきり言おう
いいか 海よ
私たちは貴様から決して逃げはしない
私たちは連帯という武器を今 首にかけ
静まりかえった貴様のふところへ
壊れた船であろうとも さらに両の手で漕いで生く

私たち人間の力をみくびると
ただではおかない
そして さらに
私たちは強固な絆を結び
まもなく立ち上がる
そして叫ぶ
家族を返せ!
友を返せ!
家を返せ!
ふるさとを返せ!
犠牲になった命の破片を
高らかな怒りの帆に吹き付け
今 狩りに出かける
自然よ 海よ 大地よ 空よ
覚えておくがいい
俺たち漁師は 貴様が思っているほど弱くはない
私たち農夫は 貴様が思っているほど軟ではない
屈強な精神と肉体に
まもなく「覚悟」を宿らせる
そして怒る わめく 叫びちらすのだ
『生きる覚悟があるのだ!』と
一国心中などなるものか!
今こそ このむごたらしい現実を直視したからには 瞳をそらさず
ゆっくり立ちのぼってくる生き物の息吹に手を打ちならそう
どんなにささやかでもいい
勇気ある小さな者たちを どんどんグングンたたえるのだ
共に拳が上がったら 一目散に駆け上がれ
生存せよ!の方向へ駆け上がり
立ち向かうのだ
たとえ それが自然という憎き相手でも
私たちは決してひるまない
憎くても
怖くても
許せなくても
それでも
私たちは あの場所を
この国を
愛してやまないのだから

 世代の違いからか長渕剛には一度も共感を感じたことはなかった。やっぱりこの程度の男だったのか。
 自分やマスコミが創ってしまった長渕剛という共同幻想をホンモノらしくしようと必死になっている気がする。大鷲のカブリモノを着た風見鶏のようだ。

  空前絶後の大災害。
  キャラ的にドーンとしたメッセージを発しなけらばいけない。
  短絡的な直情マッチポンプだから後先を考えず言っちゃった。
  まるで中学生が夜中に書いたラブレター、勢いで投函したけど読み返して悔やんでいる。
  でも、長渕剛だから書いたことはすべて本心のように振舞うしかない。
  長渕剛を続けるのも辛いなー。

 おおよそこんな感じじゃないのかな?
 この人は海をすべてコンクリートで覆えればいいとでも思っているんだろうか?

 今回の災厄を「自然の人間に対する警告」とまでは言わないが、少なくとも、「自然の力は文明で封じられる」という思い上がりがあったことは間違い無いと思う。
 古の先人たちによって蓄積された知恵を無視して、住みやすさや便利さ簡単さ都合良さを求めすぎた為に自然の力を軽んじていたのは事実である。
 自然に怒りをぶつける前に人の愚かさを憂うべきじゃないだろうか。
 『自然よ 海よ 大地よ 空よ』がどんなに悪意を持っていようと、人が繁栄するためには、災害地が復興するためには、共存していくしかないのだ。
 自然への憎悪からの復興エネルギーは一時的なものだ。継続的なエネルギーを生み出すのには反省を踏まえた共存しかないのだ。

 長渕剛の怒りは分かる。でも共感はできない。
 これじゃただのアジテーター、振り上げた拳の落とし所に困ってしまう。
 でも長渕の言葉=神の言葉と思い込んでしまう馬鹿者もいるのも長渕剛が長渕剛である所以なのだ。
 できることなら素直に増補改訂版を発言すべきだと思うのだが、それが出来ないのが『音楽家 長渕 剛』なんだろうな。






 4月1日の日記で「ヤホーで放射性物質飛散予測を始めた」と言うエイプリルフール話を書いたが、ドイツの気象庁(だと思う)のHPでほんとに予報している。上が明日4月5日、下が明後日4月6日の予想図だ。
 ドイツから見れば日本ははるか極東の端っこ、対岸の火事どころか川を何本も渡るくらい遠い地での出来事だと思うのだが、毎日載せているところを見ると事態は当地で思っているよりもずっと深刻なのかもしれない。薄い黄色の範囲はおそらく自然界から受ける年間線量の何分の一、『直ちに健康に被害を及ばすレベル』ではないと思うが、確実に拡散している。
 イザという時は2000km以上の彼方、与那国島まで逃げれば安心と思っていたが、この拡散図を見る限りそうでもないらしい。今の時期なら北へ逃げたほうがどうやら安全らしい。
 大気に放射線物質を撒き散らかし、近隣諸国どころか全世界ににも不安をもたらし、放射性汚染水は相変わらず流出を止められないで海洋にまで汚染範囲は広がっていく。そのうちに(もうどこかで発表されているかも知れない)海洋流出汚染予報図も発表されるだろう。
 『ゴミ捨てのルールはきちんと守りましょうね』と後ろ指を刺され、日本はひたすら頭をさげるしかない。地球の住民の方々、ごめんなさい。
 それにしても・・・・なぜ日本では予想図を発表しないのだろう?なにやら後ろめたい意図を感じてしまうのは私だけじゃないはずだ。